【お題】「筒井康隆」
作家、筒井康隆がお題となっている。
まずもって、なぜ筒井康隆がこの時期にお題となっているかが不思議である。気になって検索をかけてみたら、「14年ぶりのエッセイ集『不良老人の文学論』が新潮社で発売」するらしい。なるほど、世の中はよくできている。
筒井康隆の小説で思い浮かぶものを挙げてみる。
「家族百景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」「パプリカ」「時をかける少女」「虚構船団」「最後の喫煙者」等々……
<あらすじ>
「集団転移」「壁抜け男」「レコーダー人間」「空中浮遊」
科学技術を失う代わりに人類が少しだけ不思議な力を持つようになった世界を旅する青年ラゴスの一代記。生涯をかけて旅するラゴスが求めるものとはいったい何か? 彼が行きつく先はどこなのか?
初読は大学時代で、それからことあるごとに読み返してきた一冊。2周目以降からより味の出る小説かもしれない。「お勧めする小説は何か?」と問われたら必ずランクインする一冊でもある。
青年、成年、中年、壮年、老年……
男一代、それぞれの時代のカッコよさが描かれていて、自分の年齢で感じるものが違う名作である。
「カッコイイとは、こういうことさ。」
これは映画「紅の豚」のキャッチコピーであるが、そのまま「旅のラゴス」に当てはめてよいと思う。スタジオジブリより映画化のオファーがあったとの話もある。実現していれば、このキャッチコピーはもしかしたら「旅のラゴス」に使われていたかもしれない。
個人的には、文庫版のカバーイラストも大好きな、人生の一冊のひとつである。